ディジタルフィルタ

ディジタルフィルタは、ディジタル計測機器、液晶テレビやディジタルカメラなどの情報家電や携帯電話など広い分野で利用されているフィルタ回路の一つです。
ディジタルフィルタとは、入力信号からノイズだけを除去することが主な役割です。ディジタルフィルタは、アナログフィルタに比べて高性能なフィルタを容易に実現することができますが、そのためにはフィルタ係数と呼ばれる値を適切に決める必要があります。複数のフィルタ係数を組み合わせることでひとつのディジタルフィルタが構成されるので、この無数のフィルタ係数の組み合わせを用途に応じて最適な値を決めることをフィルタ設計と言います。

可変フィルタ設計

先に記したように、フィルタ設計とは最適なフィルタ係数を求めることです。しかし、フィルタ設計には時間がかかるため、リアルタイムに特性を変化させることができません。そのような目的のためには、パラメータの値を変更することで特性を変化させることが可能な、可変フィルタが用いられます。本研究室では最適化問題を解くことで、指定したパラメータの偶数倍の位置に大きな減衰量を有し、等リプル特性を有するような可変フィルタの設計を検討しています。

図1. 設定したパラメータαの2倍、4倍の位置に大きな減衰量を有する可変フィルタ