研究テーマ

  1. ホログラフィック・データ・ストレージ

  2. CDやDVD、Blu-rayなどの光ディスクでは、ピットとランドと呼ばれる小さな凹凸状の構造によって情報を記録しています(図1)。データの読み出しは、レーザーをディスク面上に集光し、反射した光の強度によって"0"と"1"を判別することで行います。このときの集光されたレーザー径をスポット径と呼び、光ディスクの容量を考える上で重要な要素になります。従来の光ディスクでは高開口数レンズや短波長レーザーを用いることで、このスポット径を小さくし(すなわちピットやトラックの幅を狭くすることで)、大容量化を実現してきましたが、回折限界によりこのような方法には限界に迫ってきています。

    光ディスクの構造
    図1:光ディスクの構造

    図1:光ディスクの構造

    回折限界は光学系の分解能の限界で、光の波長とレンズの開口数で決まります。

    d=0.61λ/NA (d:スポット半径、λ:波長、NA:開口数)

    現在の光ディスクでは、波長、開口数はともに限界に近づいています。そこで、山本研究室では記録媒体に3次元的に情報を記録できるホログラフィック・データ・ストレージ(HDS)の研究を行っています。HDSはホログラフィーの技術を応用した光メモリの一種で、従来の平面型光ディスクを超える大容量、高速転送が実現可能なストレージ技術です。

    HDSではデータを載せた信号光と参照光を媒体上で干渉させることでデータを記録します(図2)。データの読み出しは、記録時と同じ参照光を使うことで行います(図3)。HDSでは同一体積中に複数のデータを多重して記録できるため、大容量化が実現でき、2次元に変調されたページ単位でデータの読み書きを行うため、高速転送が可能となります。

    データ記録
    図2:データ記録
             データ読み出し
    図3:データ読み出し

    図2:データ記録                                 図3:データ読み出し

    山本研究室では、実験およびシミュレーションにより超高密度HDS実現のための設計技術の確立を図っています。

    実験の様子
    図4:実験の様子
             シミュレーション用計算機
    図5:シミュレーション用計算機

    図4:実験の様子                                        図5:シミュレーション用計算機